第7話(八戒)
悟浄がこんな無茶苦茶な事をするとは思わなかった。
この無茶なプレゼンが功を奏して(?)
僕らは解放された。
悟浄はヤクザに気に入られたのか、帰り際
「お前、捲簾に負けず劣らず、いい肝ッ玉してんな。名前は?」
なんて聞かれてた気がするけど、うろ覚えだ。
あの場で一度イッてしまったというのに
熱が収まらず、もうろうとしていて。
家に帰ってきた今も、まだくすぶってる感じ。
「さっきがピークだったかな?
ヤマ越えればあとは冷めるから。」
悟浄が僕の顔を覗き込んで言う。
やはり一服盛られていたのだ。
キスした時に媚薬の内服を。
体を触った時にジェル状のを。
ヤクザ達にバレないよう、こっそりと。
それもこれもあの状況を切り抜けるためにやったことなわけで。
「軽はずみな事をしてすみませんでした。
悟浄が来なかったらどうなっていたか・・・」
そう言うと、悟浄は僕の髪をくしゃくしゃに撫でて言った。
「そういうのは捲簾に言っとけ。
俺はただ適当に騒いでお前をヤッただけだし。
だいたいお前が根っからスケベじゃなきゃあ
あの場は乗り切れなかったぜ?
礼を言うのはこっちじゃねえの?」
とにやにやして言う。
「なっ・・・ちがいます!
・・・あれは薬のせいで・・・あ。」
恥ずかしくて俯いたら・・・あるモノが目に入って、思わず声が出た。
「なに?どした?」
ジーパンの上からでも分かった。悟浄のが。
「いや・・・勃っ・・・てるなって。」
悟浄の顔が、赤くなる。
「っっしょうがねえだろっ。
おれが萎えてたらあの場が切り抜けられねえからな・・・」
だから自分にも薬を・・・?
さっきのヤクザの脅しにも動じなかった姿が嘘みたいに真っ赤で。
可笑しくて、可愛くて、お腹のあたりがきゅうっと・・・。
「あんま見んな!ほっとけ!部屋で自分でヌくから。」
「あのっ・・・」
自分の部屋に入ろうとした悟浄の
その手を、思わず握っていた。
「んっ・・・ふ・・・」
悟浄のそれはもうすでにかたくて、熱くて、
口に含むと、どんどん濡れていく。
悟浄の息が乱れるたび、体の中心に熱が集まっていくのが分かる。
きっと僕のも、ヒクついて、濡れてる。
悟浄が感じていると思うと、嬉しくて、ぞくぞくして。
こうしてるだけで、自分が気持ちがいいってどういうことだろう。
今まで自分から舐めたいとも、まして気持ちがいいなんて思った事無いのに。
「っ・・・やっぱ八戒、お前エロいな。
いきなり座れって言うから何するのかと思ったら・・・
しかもこの場(玄関)でって・・・っ」
見上げると悟浄が意地悪そうに笑ってて、見られるだけで、
どうしようもなく疼いた。
それを見抜いてか、悟浄は僕の腕を引っ張って引き寄せると
耳元でささやく。
「来いよ。」
唾を、飲み込む。理性が、どこかに行きそう。
下だけ全部脱いで、悟浄に跨がる。
「んっ!・・・うぅ」
さっき悟浄に中に出された精液がローション代わりになって
あてがうだけできゅうきゅうと僕の体に入ってゆく。
肉が押し広げられて、悟浄が僕の中に入っていく、快感。
「あ・・・悟浄のが・・・」
「ほら、奥まで入れな。」
「ああっ!」
ふいに、下から突き上げられて根元まで入ってしまった。
僕のシャツのボタンをひとつひとつはずしながら、悟浄が言う。
「八戒、あんたやっぱいい顔すんな。
アダルトビデオで男が喜ぶ仕草なんて研究する必要ないっしょ?
仕事の時もいつもそんななの?」
違う。ふるふると首をふった。
いつもはこんなんじゃない。何も感じない。
次にどんな仕草をするか、どんなことをしてやるか、常にくるくる考えてる。
こんなに余裕が無くて、こんなに気持ち好いのは初めて。
「ふうん。まあいいけど。
さっき見られなかったから、
八戒が動いて俺にやらしいとこ見せてよ。」
そう言われなくてももう限界で。
悟浄のが、中で擦れるたびに
自然と腰が揺れてしまう。
「あっ・・・ああ!・・・んっ!」
もう止まらない。止められない。
「八戒の、こっちもすごい事になってるけど?」
悟浄は意地悪そうにそう言ってさらっと撫でた。
「ひぁっ・・・!」
そう。前はお腹に付くくらい反って
とても濡れていて。
こっちも、触れて欲しくてたまらなかった。ずっと。
もう、だめ。
いつもならこんなこと、言わないのに。
誰にも言った事もないのに。
思わず悟浄の頭をぎゅっと抱いて、言ってしまった。
「さわって。」