番外編4 捲簾編
男は単純だよな。
営業ばっかで久々に会社に行ったら
天蓬が髪の毛ひとつに結んでて。
それだけで体がざわついた。ただ結んでるだけなんだけど。
本人は「夏だし。暑いんで。」と素っ気ないが。
普段かくれてるうなじとか見えると。ぐっとくるわけよ。
こいつがパワポで資料直してるのも、やばかった。
よっくそんなの覚えてるなっていうくらい
ショートカット使いまくって仕事が早い早い。
そしてその資料もキレイなんだこれが。
このデスクの上からは想像できないくらい。
猫背な姿勢とか、モニターに見入るその顔とかもいい。
そんなんでいちいち体のあちこちがざわつく。
早くキスしたいとか早く触りたいとか。
「本当に・・・今、ここで?」
天蓬が俺の顔を覗き込む。機嫌を取るみたいに。
だってもう収まらねえから。てかもうそれもやばいから。
「そ。いつもヤッてんじゃん。会社で。」
そう言って自分のネクタイを解く。
組敷いた天蓬の両手を頭の上に導いて、それで結ぶ。
しゅるしゅると結んでる間、天蓬の顔が少しこわばって。
「ひどい事、しないですよね?」
ひどい事?期待してるくせに。だから止めないくせに。
「俺がひどい事するような人間に見えるか?」
こいつの耳元でささやくように言う。
ついでにじゅる、と音をさせて舌で嬲ってやると
気持ち好いような、くすぐったいようなその感覚に
震えながら天蓬がこちらを睨んだ。
「っ見えるから、言ってるんじゃ、ないですか・・・!」
ひどい事なんてしませんよ。そんなには。
スラックスのファスナー下ろして下着をずらして
こいつ自身を取り出すと、すでに熱を持ってかたくなってる。
やさしく握って扱いてやると、先走りと気持ち良さそうな吐息。
「いい?」
僅かにうなずく。
そこでぴたりと手を止めてみた。
「?」
感じ入るように閉じていたまぶたが開かれて
こちらを見る。
「いいなら自分で腰動かしな。
俺は握っててやるから。」
天蓬は心底嫌そうな顔をして、
「嫌な男。」と一言言った。
しかしここでやめるような男ではないのだ。
ゆっくりと、自ら腰を動かしていく。
もう既に濡れているそこは、天蓬が腰を動かすだけで
つるつると滑らかに俺の手で扱かれて行く。
腰を浮かせるようにして、根元から。
そこからゆっくり腰を下ろすして、尖端まで。
ちょうど、くびれのところに指が当たると、
その度に天蓬のわずかに開いた唇から、吐息が漏れる。
「・・・ふ・・・ぁ」
頭を少し反らせて、形のよい喉仏が、シャツから覗く。
まったくエロいんだから。
こいつはプライドもそれなりに高いし、意地も張る。
そして読書好きの草食系を装っているが
いざその時になれば、こんなにも欲に素直。
そこが好きだんだけど。
「いいか?」
聞いてみると薄目を開けて、こちらを見た。
「なかなか、ですよ・・・」
吐息まじりにそう言いながらも、腰を動かすのはやめない。
そして、にっこり笑って意地悪く言った。
「・・・あなたに動いてもらわなくても。」
「それはねぇんじゃねえの?」
そう来たか。なら期待通りひどくしてやる。
一気に下着とスラックスをはぎ取り指を入れる。
「・・・っ!」
始めから指2本。おざなりに、何度か出し入れして抜く。
こいつの両足を肩にかけて、自分自身をあてがうと
最初から奥まで挿れてやった。
「・・・っキツ・・・!」
そうだろう。ろくすっぽ慣らしてないんだから。
俺はやっと挿れられたのと、こいつの苦しげな顔を
上から眺められるのとで、最高に気持ち好いけど。
すぐさま尖端まで引き抜いて、また一気に奥まで入れる。
「どうだ、希望通りひどくしてやったぞ。」
「っっ・・・ぅ!」
答える余裕も無い程に、苦しみ、耐える。その顔。
「・・・っ!もっと、動いて・・・!」
息も絶え絶えに懇願されれば、こっちも我慢できない。
「りょーかい。」
「・・・っぁ!」
激しくピストンさせてやれば、
天蓬のそこが、段々慣らされて、水音をたてながら
きゅうきゅうと絡み付いて来る。
悲鳴のような吐息も、甘く、悦楽へと変わってゆく。
いつも仕事してる場所。同僚や部下が働いてる場所。
そんな所でネクタイで両手縛られながら、
こんな格好で上司にやられて、いい顔して悦んでる。
「やっぱり、こっちのほうが、いいですね。」
喘ぎ喘ぎ、そんな事言われたら、余裕が一気に無くなった。
「・・・っだろ。じゃ、そろそろ中、出すぞ。」
絶頂に向けて、腰の動きを早める。
「え、中?ちょっ・・・待っ・・・あっ!」
深夜のオフィスに、天蓬の声が、響く。