番外編2後編(天蓬)
酒がまわって思考が冴えたり不鮮明になったりぐるぐるしながらも、
体の中心では常に熱い刺激を感じている。
繋がったところから漏れる水音。
楽しくてたまらない。
「あ・・・天蓬、もっと、、、」
普段,会社の誰よりも真面目に仕事している八戒が
今は自分の下で、快楽に溺れ頬を赤く染めて喘いでいる。
辱めているというか、虐めるというか、可愛がるというか、
昔勉強を教えていた頃の真面目で素直な頃の姿も交錯して
ますます自分の気持ちが高ぶるのが分かる。
「あ・・・!良いですよ。八戒・・・。」
腰を振る度に結合部分から聞こえる水音が小気味良い。
「あ、も・・・そろそろ、イキそ・・・」
八戒が舌足らずにそう言うので、手を取って僕自身に沿わせる。
「僕も一緒にイカせてくれます?」
顔を一層赤くして頷いた八戒は、最初に僕がそうしたようにおずおずと扱きだした。
貴方は本当にお利口ですね。
貴方はどんな可愛い顔してイクのでしょうか。
僕、人がイク瞬間ってすごく興奮するんですよ。
「ン・・・あ・・・!あぁ・・・!」
八戒の声が徐々に大きくなってきた。それを見計らってだめ押し。
耳をひと舐めして、じゅる、と舌を突っ込むと
八戒が背をしならせ悶えた。
「・・・・っあ!!!」
その瞬間、僕の中の八戒がどくんと脈打つ。この感覚。背筋がぞくぞくする。
「あっ・・・!んん」
何度も僕の中でびくんびくんと脈打つ八戒自身と、射精している八戒の艶っぽい表情が
何ともたまらず、僕も八戒の手の中で達した。
ホテルを出るとすぐに煙草に火を付ける。
馴染んだ味がじんわり心地良い。
「良かったですか?」
露骨に聞くと、八戒は冷たい外気で白くなった頬をまた赤く染めて、
「ええ・・・」
と小さく言った。
「そんな心配そうな顔しなくても。誰にも言いませんよ。」
「・・・」
「貴方は本当に賢いですねえ。もっと出世しますよ。
分かってらっしゃる。
そう、酔っぱらいの言う事など真に受けてはいけないのですよ。」
「まだ酔ってますね。天蓬。全くあなたって人は・・・」
「でも悟浄に対して『明らかにできない事』ができたでしょう。
これでお互い変な詮索をせず楽しくやればいいのです。」
そう八戒に一方的にまくしたてた時。なんてタイミングでしょう。
近くの飲み屋から悟浄が出て来た。
「あっれぇ、天蓬部長と八戒。こんな所で何してんの?」
とっさに言葉が出ない八戒を尻目に見つつ、
「さっきまでこの辺で飲んでて。店出た後になって
八戒部長がマーケティングの事聞きたいって言うから。ここで立ち話してました。」
と答えた。
「こんな寒い中で?」
「ええ」
「ホテルの前で?」
「ええ、立ち話。」
「なんだお前ら、ホテルの前で話込んで。これから3Pでもするのかぁ?」
続いて飲み屋から出て来た捲簾常務が、僕と悟浄の問答を遮った。良いタイミング。
そういえば今日は営業部の忘年会でしたっけ。店、こんな近くだったんですね。
しかしこんな良いタイミングで出くわすとは。
お陰で悟浄が会社で見せたこともないような顔、見ちゃいましたよ。
今まで僕と八戒が何してたか知ったら、どうなっちゃうんでしょう。
当の八戒は、開き直ったのか平静を取り戻して(むしろにこにこして)悟浄と何か話している。
その悟浄は、納得したのかしてないのか変な顔をしたまま僕と八戒の顔を交互に見ている。
僕はしらばっくれて「親戚同士の僕と八戒が寝る訳ないじゃないですか。」と言ってみる。
捲簾常務は「何してたんだお前ら」という目線を(おかしなことに)僕だけに送って来る。
「よっし!4人で飲み直しだ。せっかくのクリスマスだ。みんなで騒ごうぜ。」
空気を敏感に察知した有無を言わさない捲簾常務のお誘い。ああ、もう24時回ってましたか。
それじゃ始発まで飲むしかないですね。
その頃にはこの微妙な空気、どうなっていることやら。
全部明らかになったらつまらない。
あいまいな方が翻弄したりされたり面白いじゃないですか。
ああ、楽しくてたまらない。
今年のクリスマスは、楽しい。
引っ掻き回して変な空気になるのを楽しむ天蓬。を書きたかった・・・のに。