簡単に体の関係を持った事を、後悔してる。
多分、天蓬にとって俺は、仕事の馬が合って、話が合って
体が合う男以外の何者でもない、気がする。
おそらく天蓬の交遊関係の中では、かなり親密な方だろう。
だけどそれじゃなんか足りない。気持ち的なものが。
一度で良いから好きとか言わせてみたいもんだ。

言い寄ってくるお偉方の相手をしてきた天蓬の頭の中には
貞操観念などという言葉は最早無いし、
他人に恋愛感情を抱く程他人にも自分にも興味は無いだろう。
さらに。こいつは愛想良さそうにニコニコしているように見えて、
実際は他人に対して壁を作って、距離をおいて接している。
一定のラインから、踏み込むことを許さない。

その難物を攻略するために、今日はこうやって
飲んで飲ませているわけだが。その末にこの状況。
これは成功したって言うのか。

俺の部屋で飲んで飲んで何杯飲んだかも分からなくなった頃、
天蓬はゆらりとソファから立ち上がった。
「したい。やらせて。」
そう言うと俺の足の間に入り込み
手早くかちゃかちゃとベルトを外しジッパーを下ろして。
「ちょ・・・待てっ・・・て」
「大人しくしなさい。」
あれよあれよと言う間に、その舌にからめとられて声が上ずった。

思えば天蓬に銜えられるのなんて初めてだ。
というか見目麗しい元帥殿が俺の足の間に顔を埋めて
丹念にしゃぶっている、このシチュエーションだけでも
興奮するのに、それ以前にこいつの顔。
これまた旨そうに舐めるのだ。酔って潤んだ瞳は俺を捉えたまま。
こっちの息が上がるのが楽しくて仕方ないらしい。
普段見た事もないくらい上機嫌だ。

・・・なんて事考えてたら段々余裕が無くなってきた。
全部口に入れられるともう、やばい。
「ちょ・・・待てもっとゆっくり・・・!」
「待たない。口に、出して。」
そう言うとにっこり笑って、わざとらしくスピードを速めるから
射精感を堪える事もできず、あっけなくイッてしまった。

息を整える俺を見て、天蓬は満足げに微笑むと
子供にいい子いい子するみたいに俺の髪をなでる。
「すごい、いい気分。」
「るせえな。待てっつってんのに。つかお前敬語どこ行った?」
聞いてんのか聞いてねえのか。天蓬はふふ、と笑って
次は首から腹から太ももから、キスを落としていく。
時々跡がつくくらい吸われると、それだけで息が上がった。
一方ではあの軍人とは思えない程のきれいな手で
射精したばかりのそこをゆるゆる弄られて、また徐々に勃ってきた。
「・・・っ!」

なんだかいいようにいじり倒されてんな、俺。
「いい加減にしねえか・・・っんの酔っぱらい!」
とか言いつつ、抵抗する手に力がまるで入らない。
再び熱を持って硬くなっていくそれを見ながら、天蓬が言った。
「捲簾はスタミナがあって、何回もできるからいいですねぇ。」
まあお前が相手にしてるようなお偉方とくらべりゃ、な。

そして素面の時では考えられないような台詞を
さらっと言いやがるので、一瞬耳を疑った。
「沢山してくれたら、サービスしますよ。」
どういう誘い文句だ。だから、俺的にはこういうんじゃなくて
気持ち的な・・・だな、そういうのが欲しいんだけど。
いやしかしそれはそれ、今目の前で明らかに盛っている天蓬に
自分の理性なんて、無いにも等しい。

駄目だ。今すぐ欲しい。
天蓬の腕を引っ張って、キスする。
「んっ・・・」
ベルトを外して手早く下着とスラックスをはぎ取って
膝の上に対面で座らせた。後ろを解すのも焦れったい。
ああやばい。こいつの口中も、後ろも、ものすごく、熱い。

もう堪えきれず、僅かに指を出し入れしただけの
キツめのそこに、自分自身をぎゅっとねじ込んだ。
「あぁ!・・・すごい・・・ぎちぎち・・・」
「だな・・・ちょっと待ってろ。」
しかし慣らすために上下に動こうとしたら止められた。
「待って。この、入った瞬間の、ぎちぎちなのが・・・
僕好きなんです。・・・んん」
余程好いのか、天蓬自身はすでにとろとろと蜜を垂れ流している。
そして、とろんとした目をしながら、腕を首に絡めてきた。

「あぁ・・・すごく、好い。
僕、捲簾のセックス、すごく好きです。」

おしい。
『のセックス』が余計だ。

しかし、俺の体はその言葉に反応して益々高ぶったわけで
天蓬の腰を抱いて下から何度も突き上げてやると、
夜も更けゆく静かな部屋の中で、
天蓬の喘ぎ声が大きく響いた。

捲簾視点です。

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