第5話

キスしたまま体を起こして
半開きだったドアを指で軽く押すと、
ドアはパタリと閉まり、
その瞬間に唇と唇の間から漏れる吐息と水音の
ボリュームがぐっと上がる。

「ワリ。加減ねえけど、い?」
もう理性なんてぶっとびそうなくらい気持ちがいい。キスだけで。
そう聞いた声すらも上擦ってて余裕のかけらもない。
天蓬はくすりと笑って
自分のベルトを外して下着ごとズボンを下げると
細っこい体からいとも簡単にそれらがすとんと落ちた。
そうしてから腕を俺の首に絡めて深く深く唇を重ねる。
シャツの裾からチラチラ見える白い太ももと
俺と同じく興奮しきって熱を持った奴自身が密着して。
こいつ俺を狂わす気か。

「銜えろよ。」
自分も天蓬と同じようにズボンと下着を脱ぎ捨て、
跪かせていざなうと天蓬は俺自身の欲を舌でなでて
先走りを舐め取った。なんて柔らけえ舌。
そして口いっぱいに含んでしゃぶる、その時の顔といったら。
「?なんです。にやにやして。」
「ん・・・お前、いつもそんな旨そうに銜えてんのかと思って。」
「まさか。こうしてしゃぶる度に
あなた自身がかたく熱を持っていくのが、楽しくて。」
ぐちゅぐちゅと水音を立てて愛撫しながら
上目遣いでいたずらっぽく微笑む。
追いかけっこしてる時とはまた別の。

「余裕、あるじゃ、ねえか・・・」
こっちは全然ねえってのに。
悔しくなって強く腰を振って奥まで突っ込む。
「んんんっ・・・!あ・・・もっと。」
くぐもった声を上げて必死に俺の体にしがみつく。
それでもなお旨そうに俺のを銜えるその顔は変わらない。

もうお前、ここ出て俺のもんになれよ。
そんな戯言うっかり言いそうになって焦った。

あなたは僕の口からそれを引き抜くと
立ち上がらせて僕のモノを愛撫し始める。
「ふっあ・・・!ちょっ・・・そんなに・・・」
その指で強引に握られれば
全身に電気でも走ったかと思うくらいの快楽が。
あなたにぎゅっとしがみついてないと立っていられない程の。
「お前、さっきより良い顔してるぜ。」
「っ・・・!」
あなたがいやらしい事をするから
こんなに濡れてしまったんじゃあないですか。

今度は僕ので十分にで濡れた指がそこを解していく。
早く、早く、慣らして。早く、もう、挿れて。
催促するようにあなた自身に触れる。
「待てって。今、挿れるから。俺も限界だ。」
上擦った声が耳元で聞こえたと思ったその時、
後ろからかたく猛った熱が挿入される。  
「あぁっ・・・!」
さっき僕の口一杯に満ちて
舌で愛でたあなたの熱が、あの形が、
心地良いリズムで僕の中をかき乱す。

「あっはぁっ・・・あ・・・!」
何か言いたいのに言葉にならない。
吐息に混じって自分の声とは思えない
嬌声が漏れてゆく。
伝えたい事があるのに。知りたい事があるのに。

何かを求めて手を伸ばしたその時、
僕の手はあなたの手に絡めとられ
両腕ごと後ろからぎゅっと抱きしめられた。

痛いくらいに、伝わる。熱が、何もかもが。
耳元ではあなたの息づかいと、かすれた声。

そんなの、初めて言われましたよ。
顔が、頭が、目が、一瞬にしてかっと熱くなる。
「あ・・・ぁ・・・」
「俺の名前、呼べよ。」
「けん、れん。・・・あ・・!」
途端に早くなる腰の動きについて行けない。
「けんれん、けんれん・・・あぁ!」
絶頂が近づくにつれて薄れていく思考の中で
うわごとのようにあなたの名前を呼び続けた。

あなたにだったら、飼われるのも悪くないです。
こんなに心置きなく快楽に身を委ねるなんて初めてですよ。

 

捲簾目線→天蓬目線。捲簾が何を言ったかは想像にお任せします。

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