「じゃあ4人-5人-5人に分けて配置する方向で決定ですね。」
「それでどうぞ。まあ、わざわざ3チームに分けなくても
この妖怪の数なら余裕で叩けますがね。」
いつも通り一言多い円雷の言葉は聞き流す。
会議の帰り、2人で天帝城内を歩いていた時の事だ。
人気のない階段を下りている時。
目が、合う。
お互い同じ事を考えていたのか。
任務もこのくらい息が合うと良いんですけど。

円雷が乱暴に僕の腕を引いて、
階段の踊り場の壁に押しつけ、
息もつけないようなキスをする。
「あっ・・・はぁ・・・ん」

キスはしたまま、円雷はこれもまた乱暴に、僕のベルトを外してゆく。
スラックスと下着を一気に下ろしてしまうと
片足を持ち上げ、2,3回指を出し入れしただけのそこに、
立ったままいきなり奥まで挿入した。
「・・・っ!!・・・んん」
息も、できないくらいに、苦しい。
でも、どうしようもなく、気持ち良い。

もたもたすれば人が来る、かもしれない。
円雷が早急に、腰を上下に動かす。
そのせいで、いつになく中がぎゅうぎゅう擦れて、熱い。
緊張感が心と体を一層高ぶらせて、すぐにでもイキそうな気持ち良さ。
射精しそうになる直前、堪らず背を反らせると
それに気づいた円雷の大きな手が僕の口を塞ぐ。
絶頂に達すると必ず、声が大きくなる事を知っているから。
「んっ・・・んん・・・!」
僕の中の円雷自身も、びくり、びくりと震えて射精する。
最初から最後まで、5分もかかってないのではないか。

身繕いをして、また2人で階段を下る。
しばらくすると、人気の無いこの場所には珍しく、
数名の兵士とすれ違った。あと数秒でも遅かったら
この男とのセックスを見られていただろう。
自分の背筋に冷たいものが走るのと同時に、
腹の下からふつふつと快楽が湧いてくるのを止められない。

円雷のセックスはいつもこうだ。
粗野というか乱暴というか。彼の性格が良く出ている。
でもその反面、経験したこともないような興奮を、味わえる。
容赦なく体を嬲られ犯されていくのが、どうしてこんなにも
気持ち良いのだろうか。自分でも説明できない。

初めて関係を持った時。
「しよう」と言い出したのは自分からだった。

お偉方に報告したところで3歩歩けば忘れるような小さなミス
だったと思ったが、円雷がわざわざ僕の部屋に来て、
上には報告しないで欲しいと頼んできた。かわりにどんな頼み事でも聞くと。
思えばあのころ彼はまだ中将で、大将へ昇格する直前だったから
その兼ね合いもあって、普段から傲慢な彼が、
お互い腹の中でソリが合わないと認め合っているこの僕に
そんな超絶珍しい頼み事をしてきたのだろう。

だから、こう言ったのだ。
「良いですよ。じゃあセックスしません?」
「は・・・?」
任務中、意見が衝突する時と同じ。
円雷は『何を考えているんだこの人は』という目で僕を見た。
「僕、人がどんなセックスするかって、すごく興味あるんですよね。
貴方とはソリが合わないから尚更。
なので階級とかそういうの忘れてください。
やりたいようにやって頂きたいのです。どうです?」
円雷は最初は飽きれたような顔をしていたが、それなりに割り切ったのか、
いつも通り傲慢そのものの顔つきに戻って「分かりました、」と言った。

「じゃあ。」と、円雷。
これからどうされるのだろうと思うと、胸が高鳴る。
「服を脱いで」
言われた通り、服を脱ぐ。白衣、Yシャツ、スラックス。
最後に下着も脱ぎ去ってその辺に置く。
「脱ぎました。」
そう言って彼に向き直ると、彼は僕の体を上から下まで
眺め、にやりと、笑った。
そして自分の軍服のベルトをしゅるしゅると抜き取ると
僕に後ろを向かせ、両腕をきつく縛仕上げる。
「あ・・・痛・・・。」
そして僕の肩をどんっと押した。どうやらソファに座れということらしい。
大人しく座ると、僕の足の間に顔を埋めて、
まだ立ち上がってもいない僕自身を一気に口に入れた。

「んんっ・・・うぅ!」
口の中の、暖かい感触に包まれる。
最初から抑揚もなく激しく吸い上げられ、
ぬるぬると出てくる先走りすらもすぐさま吸われる。

「や・・・ちょ・・・っ、イキ、そう・・・」
ひたすら容赦なく吸い上げられて、その嘲笑うような目で
さらに興奮して、あっけなく達した。
今度はいきなり髪を掴まれて、そのまま顔を無理矢理上げさせられ、キス。
どろっとしたものが、口を割って入ってくる。
「んっ!ふっ・・・ぁ!」
「どうです?まずいでしょう?」
飲みきれなかった精液が溢れて、口端から流れていく。
なんてことさせるのだ。しかし、次はなんだと体がはやるのを止められない。

今度は腕を乱暴に引き寄せられたかと思うと
後ろ向きにさせられて、僅かに指で慣らしただけのそこに
いきなりバックから挿れてくる。これも最初から奥までガンガン突かれた。

それからは、気が向けばそんなセックスを何度もした。
驚いたのは、円雷があの性格のわりに、
任務とセックスをきちんと切り分けたことだ。
任務でどんな険悪な雰囲気になろうとも、セックスに影響することは無いし
嬲り嬲られのセックスが任務に影響することも無い。
そんなこんなで、その気になればどちらともなく誘って、淡々とするだけ。

普段の性格はどうあれ、僕の中ではそんな円雷の
セックスのセンスを評価していたのに。
結局色々あって任務の方で決定的にソリが合わなくなり、彼は異動。
関係も途絶えた。あのセックスも、終わり。

「あのよ。人の事こんなんといて、一人考え事にふけるの、やめてくれる?」
そんな事を思い出していたら下から捲簾の声。
抗議するように、下から突き上げて来て
僕の中で捲簾自身が、ぎちぎちと主張する。
「あ!・・・んん・・・」

捲簾がうちの隊の隊長となって、こういう関係になったのも
最初は興味本位ではあったが、今の今まで関係が続いているのは
単に興味だけではない。
腹の下からじわりとくる快感の他に、なんとも説明しがたい感情が伴う。
そんな関係。

ただ、セックスにはもう少し刺激を取り入れてみては如何か・・・
という提案の意味を込めて、今日は組敷いた捲簾の両手を、頭上で縛ってみたのだが。

「こういうのも、たまには良いでしょう?」
僕はあなたをこうして見下ろすの、興奮しますけど。
願わくば、もうちょっと嫌がるなりよがるなり
リアクションしてくれるといいのに。
しかしてこの男はこういう趣向はあまり興味が無いらしく、
「いんや?」などとさらっと言う。

「つまらない男ですね。」
「そらどーもありがとさん。」

うーん、これは要教育だ。

捲簾に嬲られたい天蓬

▲ウインドウを閉じる