「お楽しみのところ悪ぃけど、そろそろ交代の時間だ。」
部屋に入って来た男はそう言うと、
ごねる男達をうまく言いくるめて尋問部屋から追い出した。

「あんたさ、こうしてるととても軍人には見えないね。」
目隠しされた上に両手を後ろ手に縛られ
濡れそぼった上半身はシャツが破けて白い肌が露になっていて、
唯一まともに身につけているのはスラックスのみ、
という状態の天蓬を見下ろしてそう笑うと、
男は手錠を外しにかかった。

それに安堵して、ひょっとしてこれが敖潤の言っていた
『東方軍のツテ』だろうかと思った次の瞬間、
手錠は天蓬の頭上で再びはめられ、そのまま固定された。
「さてと。」
「!?・・・あっ!」
男が突然、くちゅ、と音を立てて天蓬の首筋を吸った。
続けて、鎖骨、胸へと音を立てながらキスを落としていく。
「あぁ・・・んんっ・・・」
天蓬の生理がまた喚きだした。目隠ししているのも相まって
ものすごく、感じる。その証拠に、触られても居ないのに
体の中心が熱く、露をこぼすように濡れていくのが、自分でも分かった。

男は自分の下に組み敷いた天蓬の熱に気づくと、下着ごとスラックスを脱がせる。
「やめ・・・!」
「さすがは天蓬元帥。まだ触ってもねえのに。
いい体してんな。・・・どれ。」
そう楽しげに言うと、濡れているそこには触れずに、
くぷ、と尻に指を入れる。しばらくして解れてくると
指を2本に増やして前立腺を刺激した。
「やっ・・・んっ・・・んんっ!!」
ぐちゅ、ぐちゅ、と音を立てて指を出し入れすれば
天蓬はもはや、快楽に身を委ねた体を止めるすべも無く
背を弓なりにして絶頂へと上りつめていく。

しかし、射精する一歩手前、天蓬自身がびくり、
と脈打ったその瞬間、男は勢い良く指を2本とも抜いてしまう。
「・・・っっ!!」
絶頂まで上りつめたにも関わらず射精が叶わなかった
天蓬は、ふるふると太ももを震わせ、はあはあと
息を切らせて苦しんだ。

「んっ!・・・ぁあっ」
するとまた男は指2本でぐちゅぐちゅ音をさせながら前立腺を刺激する。
そして射精直前までくると指を抜く。
それの繰り返し。
天蓬は体の熱が増す一方で、一向に射精することが叶わず、
とはいえ頭の中では唯一残った理性が解放に安堵してもいて
気が狂いそうだった。

「ねえ、あんたさ。そろそろ思ってる事言っちゃいなよ。」
そんな天蓬を見て面白くて仕方がない、という感じで男が言う。
その間も、手は止めない。
「・・・っ東方軍は、いつも、こんな、下劣な尋問をするのですか。」
「別にこれは尋問なんかじゃあねえよ。
俺はただ、美人が捕まったからのこのこヤリにきただけで。」
「あっ・・・ん・・・尚更、下劣ですね。」
「俺は軍がバラまく薬なんぞに興味はねえよ。
セックス・酒・タバコ・スリル。これ以外に面白れえ事なんてあるか?
しっかしこの状況で言うねえ。こんなに濡れておいてよ。
俺が聞いてるのは体の方。そろそろどうにかして欲しいんじゃねえの?」
また、絶頂手前で指を抜く。
「あぁっ・・・!!」
「別に意地張んなくていいんじゃねえ?
お偉方がやること命令する事ろくでもねえのは
この先ずっと変わらねえだろうし。
そのせいでいつ野垂れ死ぬかも分からねえなら
好き勝手やったもん勝ちだろ。そう思わねえ?」

その時、天蓬の中でガラガラと何かが崩れた。
それが理性だったのか、僅かに残っていた軍への忠誠心か、
それとも腹に収めて来た空洞だったのか。
どれが崩れたのかが分かってしまう前に、天蓬は口を開いた。
「じゃあ、入れてください。」

「何を?」と男が意地悪そうに言ったので
天蓬は口で言うかわりに、男の足首から太ももへと
つつ、と足先を這わせ、そこを撫でた。
「ははっ!あんた本当に軍人にしとくのもったいないな。」
そう言って男は服を脱ぎさって、天蓬と同じように熱を持った
自分自身を、ぎちぎちと挿入した。天蓬のそこは待ちわびたように
容易にその熱を受け入れる。
「あ・・・んんっ!・・・早く、動いて・・・!
さっきのところ、沢山して。そして、中に出して
・・・ここまで言えば満足ですか?・・・んっ」
喘ぎながらもふてぶてしくそう言う天蓬に
男は「気に入った。」と一言つぶやき
ぐちゃぐちゃ音をさせて、腰を激しく振る。
「んっ・・・あ!・・・も・・・イキそう・・・」
天蓬自身に手を添えると、天蓬の喘ぎ声がいっそう部屋に響いた。

それから何度繋がったか。
天蓬のそこからは、男の精液がとろとろと流れ出ている。
時間の感覚もない。男の持って来た酒を飲みながら
飽きる事も無く、たまに適当に会話しながら、何度もした。
今は「やった後のタバコってうまいよなあ。」などと言いながら
男はタバコをふかし、口移しで天蓬にも吸わせたりしている。
「そうですね。自分の吸ってる銘柄ならもっと良いんですけど。」
「お前つくづく、態度でけえなぁ。」

何だろうこの空気は。
と、天蓬はここにきて考えた。相変わらず目隠し、手錠状態な上に
体もそこかしこ痛むが、頭の中は至ってスッキリしている。
初めて会った相手に、しかもこんな状況でセックスして
こんな空気になって、こんな気持ちになるとは。
いや、感情など伴っているはずがない。
自分は、そのうちまた尋問が始まって薬漬けにされて
東方軍に利用される運命だ。その前に、最後に一度だけ
思い切りセックスしたかっただけだ。
と思った。思う事にした。そうしないと説明がつかない。

「さて、時間だ。」
ごそごそと身支度をしていたらしい男が、そうつぶやいたので
天蓬は身を硬くした。
次の瞬間、天蓬の口に布のようなものが押し付けられる。
クロロホルムの甘い匂い。
「また、あとでな。」
男が、そう言った。

相手が誰とは言いませんが・・・(笑)

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