バタン!
大きな音を立ててドアが開く。
つかつか中に入って行く捲簾の後に続いた。
捲簾の部屋に入ったのは、初めてだ。
「ついてくんな!この疫病神。」
目の前の男は歩きながら自分のベルトをしゅる、と抜き取った。
泥やら埃やら汚れた軍服の上着を脱いで、その辺にぶん投げる。
奇麗に筋肉のついた背中が露になる。そんなもの見せるな。
欲情する。
「仕方ないでしょう。」
「るせえ!お前が上からあんなに可愛がられてるとは思わなかったぜ!」
発端は自分があるお偉方の戦術上のミスを指摘した事だ。会議の時に。皆の前で。
自分は至って普通に指摘したつもりだったが、
そのお偉方は酷く自尊心を傷つけられたのか
当てつけに超過酷な任務を西方軍第一小隊に言い渡したのだった。
最初はこの男も「やってやらあ」と意気込んでいたものの
いざ下界に降りると
偵察部隊の報告よりもはるかに多い妖怪が第一小隊を迎え、
ただでさえ過酷な任務が長期化した。
その任務がやっと終わって天界に戻ってきた今。
負傷者は出るわ隊員は疲れ果ててるわ、
この男愛用の刀も銃も破損し修理に出さなくてはならないわ(自分の武器もだが)。
第一小隊はしばらく機能しそうにない。
そんな状況。
「あの男のケツの穴の小ささを嘆いても仕方ないでしょう?」
「そりゃそーですね。でももっと穏やかに指摘してやっても良かったんじゃないでしょうか?
あーいう性格だってのは分かってるんだしよ。お前もあいつの事苦手なの知ってっけど。」
そう言って歩きながら靴も脱いでこれまたぶん投げる。
自分もそれに続きながらベルト、上着、Tシャツ、靴と次々脱いでいく。
「いい加減その直情型直せよ。こっちにもとばっちり来るじゃ・・・!?」
そう言って振り向いた瞬間、捲簾が言葉を失う。
「お前までなに脱いで・・・」
「性格直すのは無理なんで。これで穴埋めさせてください。」
「何を言って・・・!?んっ」
キスで口を塞ぐ。柔らかい、感触。
「ちょ・・・待て!なんでそうなる!?」
捲簾が慌てて引き離す。
拳銃でも向けられたかのように両手を上げて必死に僕を制止する。
「僕じゃ不満ですか?」
「そおいう話じゃねえだろ!」
近づくと磁石のようにひょいひょい避けられる。
さっきまでの怒りはどこへやら。明らかに動揺してる。
しまった。可愛い。
「怖いですか?実は童貞だった?」
「・・・んなわけあるか!」
まだ逃げ回る。
「疲れ果てて出来そうもない?歳ですね。」
「・・・じゃなくて!!」
まだ逃げ回る。
「僕とはしたくない?」
「・・・それはない!」
ですよね。
ずっとこういうタイミングを待ってた。きっとお互いに。
いきなりピタリと止まるから鼻先と鼻先がぶつかりそうな位、近くに。
一瞬見つめて。
「穴埋め。きっちりしてもらうぞ。」
「は?・・・んっ」
遮るようにキス。捲簾からの貪るようなキスは、堰を切ったように、
抑えてたものがどっとあふれるように、激しい。
「・・・わ!」
急に腰を抱かれたと思ったら体が中に浮く。
そして机の上に押し倒された。
手をついて自分に覆い被さる捲簾の
胸が、腕が、自分とは比べ物にならない程厚い。
どうりでこんな軽々しく大の男を持ち上げる。
どうりであんな重い銃を意のままに操る。
彫刻のように美しい腕に、胸に
指を這わせると、自分の中の欲がどっと溢れた。
きっと、この男も同じ。
その証拠に、再び、激しいキスが降って来る。
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見た人には分かる。トランスポーターから引用というかパクリ。
トランスポーターへの萌えは日記で語らせて頂きます。