目の前にある悟浄の瞳が真っ赤で真っ赤で奇麗。
こんな奇麗な目してたの、今更気づくなんて僕はバカですね。
僕としてる時もきっとそんな奇麗な目だったんでしょうね。
見たかったな。
見てみたかったな。
「お前さ。」
「泣くくらいなら死ぬなよ。」
「え」
泣いてた。気づいた瞬間、視界の悟浄が一気に滲んで
涙がぼろぼろこぼれる。
「姉ちゃんの事忘れられねえわ
忘れたら忘れたでショックだわ
だったら俺の手にかかって死のうってか。
やってやるかよざまーみろ。」
ぺしっと額を指ではじかれた。
「俺はお前に何もしてやれないし
偉そうなこと言えねえけど。
泣くくらいなら死ぬなよ。」
悟浄が優しく抱きしめて来る。
「べっつにいいじゃねえか。
まだ姉ちゃんのこと好きでも。同時に俺の事好きでも。
天秤にかけてこっちが低いから困ってこっちが高いから困って。って。
うっとおしいぜ。
もういーよ。白黒決めなくても。どっちもでいいじゃん。
どっちにしても俺はお前の側いるし。」
そう言うと腕に力を込める。
「だからお前も諦めるなよ。」
悟浄の腕がきつくて。
悟浄の体が温かくて。
悟浄の言葉が。
涙が後から後から溢れてきて声が出ない。
小さく頷くと悟浄は
「おかえり八戒。」と優しく言った。
悟浄。ごめんなさい。好きです。
いつの日か。
「ごめんなさい」をつけないで
ちゃんと貴方に伝えられるでしょうか。